本校は学舎を取り巻くこの地域は、海に近く、池・川に恵まれた水郷地帯であり、古くから開墾・干拓により開かれた土地である。 校章、円の中、下辺に拡がる穏やかなうねりは水郷地帯の豊かな水の流れを、上辺は水郷地帯から昇る太陽(希望)を表す。 また、円は緑豊かな土地を、外に向かう突起は空(未来)を表す。 ここ海部の地にしっかりと根を張り、希望に燃え、空(未来)に向かって、大きく飛翔する願いを込めたものである。 |
愛知県立海翔高等学校校歌に寄せて
作詞者 小 塩 卓 哉
第一連は、伊勢湾に面して立つ海翔高校のイメージを「海」の語に託しました。言うまでもなく、「海翔」の校名の一番初めにくる「海」という語のイメージです。海翔高校が立つ土地は、長い時間をかけ海
を干拓してできた土地です。「新懇」の語は、前身校の一つ海南高校の校歌にも歌われていましたが、この地区を開いた人々の開拓精神を表す言葉で、万葉集に
も見える古い語です。「パイオニア精神」という言葉で言ったほうが現代では分かりやすいかも知れませんが、この地区の歴史を振り返り見るとき、海翔高校の
生徒にぜひとも受け継いで欲しい言葉です。それゆえ、「新しき地を懇きたる先達へ続け若人」というフレーズを第一連の中に盛り込みました。「パイオニア精
神」をもったたくましい生徒になって欲しいとの願いが込められています。
第二連は、広々とした濃尾平野の南端 に立つ海翔高校の西側に広がる鈴鹿・養老の山脈のイメージを、「山」の語に託しました。鈴鹿颪の厳しさは、颪の吹き荒ぶ地域の小・中・高等学校の校歌の中
で歌い継がれてきたかと思います。そのような厳しい風に耐えつつ丈夫に育って欲しいというのは、昔からの変わらぬ願いですが、海翔高校の生徒には、ぜひそ
のような厳しい環境の中で、自らが選んだ学問の道を究めて欲しいと思います。厳しい自然に耐えてこそ稔り豊かな収穫があるように、三年の間に学問を究めて
こそ、卒業の喜びがあるはずです。晴れ渡る空の広さに果てがないように、学生の向学の精神も無限であるとの思いを歌詞に込めました。
第三連は、「川」のイメージで始まります。海翔高校の間近を流れる木曽川は、遠く木曽の源流から始 まり、長い旅路を経て、終着を迎えようとしています。その流れは滔々としてまさに大河の風格を醸し出しています。その水量の嵩たるやたいへんなもので、見 るものを圧倒しますが、両手で掬ってみるならば、まさに生命の源である尊い水の一滴一滴が集まったものにほかなりません。水源豊かな土地なればこそ、命を 大切に育む教育が豊かに実るものと信じます。福祉科を開設した海翔高校の教育の大切な原点の一つとして、そのような慈愛に溢れた精神を校歌の中に盛り込み たいと思いました。目に見える水は海に注ぎ込んで行きますが、実はその多くが蒸発をしています。そしてそのような目に見えぬ水も、虹となれば美しく輝き、 万人に存在を知らしめます。天に大きな弧を描く美しい虹のような希望を持ち、海翔高校の生徒が空高く羽ばたくことを願うものです。 各連とも最後の一節は、学校名を繰り返し歌う構成です。三度ずつ三番にわたって繰り返し声に出すことで、海翔の名が愛しく、自分を勇気づけるかけがえのない校名へと育っていって欲しいと願います。誰のものでもない自分の母校の名として。
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